スペイン語の長文読解に挑戦⑦ 中性定冠詞lo+queと、loなしのque

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スペイン語学習者にとって初級と中級を分け隔てる大きな壁。

それは「長文の読解」であると、何百回何千回と繰り返してきた山羊山です。

実際には3,4回くらいしか言っておりませんが、繰り返しの回数を盛ってるだけで、高みを目指すスペイン語学習者にとって、長文読解が非常に重要である点は本当です。

そして長文読解攻略のカギに「関係詞のque」や「接続詞のque」「接続法」があり、そしてそれらをさらに複雑にしているのが「定冠詞+que」だったりします。

今日はそこらへんのところをガッチリ固めていこうぜ!!と僭越ながら考えたうえでの記事でございます。

さて以下の文、queの前にloがついたり後ろについたり、はたまたloがまったくなかったりするのはなぜだか知ってますですかねみなさま。

ぼくしらない。


Nos extraña mucho que Sara y Javi no nos hayan avisado de su boda.

(サラとハビが結婚式のことを私達に知らせてくれなかったのはとても不思議だ)

No puedo perdonar lo que me ha dicho.
(彼が私に言ったことを許せない)

Yo no creo que lo haya dicho en serio.
(私は本気で言ったとは思わないな)


口が覚えるスペイン語 より

loの全体像

まずはloの全体像を把握しましょう。

定冠詞?代名詞?なんだっけ?

という状態だと、loが登場するたびにポンコツになってしまうからです。

ブログぴーでは、しっかりloの全体像をおさえてありますよ!

上記記事によると、スペイン語のloには、

中性定冠詞のlo
人称代名詞のlo

この2つがあります。

むしろ2つです。

「何かいっぱいある」と思い込んでると、loが出てきた時点で「ぉお・・・何だっけ?」と必要以上に身構えてしまいます。

しかしながら、「2つだけ」という全体像を把握しておけば、loの攻略は簡単になります。

「定冠詞じゃなけりゃ人称代名詞」だったり、その逆の「人称代名詞じゃなけりゃ定冠詞」みたいに消去法も使えるからです。

loには

中性定冠詞のlo
人称代名詞のlo

の2つしかないとまずは覚えておきましょう。

lo queのloは中性定冠詞

それでは「lo que~」の用法から見ていきましょう。


NHK出版 これならわかるスペイン語文法
定冠詞中性lo より

スペイン語には中性名詞はありません。定冠詞中性loは名詞以外の語句の前に置かれ、それらに名詞的な機能を果たさせる冠詞です。
e) 定冠詞中性 + que + 文
lo que has decho→君がやったこと
lo que quiero decir→私が言いたいこと

「君がやったこと」や「私が言いたいこと」のように、名詞で表せない要素を名詞化するために中性定冠詞loは用いられるということです。

一方でloが前にないque

それでは、loが前に付かない、que単独の場合を見てみましょう。


Nos extraña mucho que Sara y Javi no nos hayan avisado de su boda.

(サラとハビが結婚式のことを私達に知らせてくれなかったのはとても不思議だ)


NHK出版 これならわかるスペイン語文法
接続法:名詞節 より

名詞節は、接続詞queを用いて作られます。

さらに接続詞のqueとは?

文中で名詞と同じ働きをする節を名詞節と呼びます。
名詞節は、文に接続詞queやsiを付けて作ります。


これはどういうことかと言いますと、文の頭にqueをくっつけると、以降の文をまるごと「名詞として扱える」ということです。

「名詞として扱える」ということは、「主語」になれたり、「目的語」や「補語」になれるということです。

つまり、


Nos extraña mucho que Sara y Javi no nos hayan avisado de su boda.


que以降のSara y Javi no nos hayan avisado de su bodaが名詞として扱えるということですね。

loの有る無し

さてみなさま。

ここまでは以下の2つの文の解説をしてきましたが。

1.No puedo perdonar lo que me ha dicho.
(彼が私に言ったことを許せない)

2.Nos extraña mucho que Sara y Javi no nos hayan avisado de su boda.
(サラとハビが結婚式のことを私達に知らせてくれなかったのはとても不思議だ)

lo+queは、以降に置かれた語句に名詞的な機能を持たせる定冠詞ということでした。

そして、接続詞のqueは文をまるごと名詞として扱えるようにする機能があると。

そうすっと、どっちも名詞!何がちゃうねん!

という話になってくるわけなんですね。

この疑問に対しては、いくつかのアプローチがあるのですが、今回は「先行詞が意識されているかどうか」という斬り口で考えてみたいと思います。

先行詞について

先行詞とは、ここでは「queの前に置かれる名詞」と考えてよいと思います。

1.No puedo perdonar lo que me ha dicho.
(彼が私に言ったことを許せない)

loは中性定冠詞なので、日本語で「こと」と訳されてます。

敢えて具体的な名詞にするなら「la palabra(その発言)」あたりでしょうか。

「1」の文では、このpalabraという先行詞が意識されているということになります。

一方で「2」の文では、queの前に名詞が置かれていません。

2.Nos extraña mucho que Sara y Javi no nos hayan avisado de su boda.
(サラとハビが結婚式のことを私達に知らせてくれなかったのはとても不思議だ)

つまり、「先行詞にあたる何か」が意識されていないということですね。

「先行詞の有無によるニュアンスの違い」を説明するのは非常にむつかしいのですが、

私はその言葉を許せない

え、どんな言葉

彼が私に向けて言った言葉

このように、先行詞を意識することによって、「発言・言葉」という部分に、より焦点がおかれていると考えることができます。

一方で先行詞がない場合。

とても不思議だ

え、何が?

サラとハビが私に結婚式のことを報せてくれなかった事

こちらは先行詞が無いため、特定の単語に重点が置かれるているわけではないということが何となく感じ取れたでしょうか。

queの後ろにあるlo

そして3つ目の例文です。

Yo no creo que lo haya dicho en serio.
(私は本気で言ったとは思わないな)


このloqueとは関係ないloです。

queと、後ろにあるloをセットで考える文法構造ではありません。

なので、動詞句haya dichoとセットになった「代名詞のlo」と考えるのが自然です。

もっと言うと、「直接目的語の中性代名詞lo」です。


Yo no creo que lo haya dicho en serio.
(私は思わない、それを本気で彼が言ったとは。)

以上を踏まえまして

ここまでの内容を踏まえまして、本日の例文を見てみましょう。


1.Nos extraña mucho que Sara y Javi no nos hayan avisado de su boda.
(サラとハビが結婚式のことを私達に知らせてくれなかったのはとても不思議だ)

2.No puedo perdonar lo que me ha dicho.
(彼が私に言ったことを許せない)

3.Yo no creo que lo haya dicho en serio.
(私は本気で言ったとは思わないな)


「1」は、「サラとハビが結婚式のことを知らせてくれなかった」という文全体に焦点を当てているのでloなしのqueです。

「2」は、「発言・言葉」という先行詞に焦点があたっているのでloありのqueです。

「3」は「1」と同様に発言内容ではなく「彼が本気で発言した」という部分全体に焦点を当てています。

なので、loなしのque

そしてこのloは中性代名詞です。

これらの微妙な違い、わかりましたですかね。

僕も理解するのに時間かかったので、もし1回で理解できなくても、何回か読み返してみてください。

30回くらい。

いやですか?

そうですか!

ウェイヨー

と、いうわけで。

厳密に言うと、「lo+que」のqueは関係詞で、loなしのqueは接続詞だったりするのですが、あれもこれもと詰め込みすぎると逆に理解の邪魔になると思い今回は省きました。

次回以降で関係詞や接続詞を踏まえて改めて記事にしていこうと思ってますよ。

まずは今日の内容をしっかり理解しておきましょう。

特定の語句に重点を起きたい場合は先行詞を意識しながらlo+que

文全体を受けたかったらloなしのque

呪文のように唱えながら以上、lo+queと、loなしのque!でした。


本日の参考図書

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