スペイン語のloって、たまーに出てくると「あれこれなんだっけ?」ってなりませんですかねみなさま。
ぼくなる。
Dentro de cinco años habrás ahorrado lo suficiente para comprarte un piso.
(5年後には、君はマンションを買うのに十分なお金を貯めているだろう)
口が覚えるスペイン語 より
スペイン語のloおさらい
まずはloをおさらいしましょう。
定冠詞中性のlo
NHK出版 これならわかるスペイン語文法
冠詞 より
スペイン語には中性名詞はありません。定冠詞中性loは名詞以外の語句の前に置かれ、それらに名詞的な機能を果たさせる冠詞です。
私は主張する→私が主張すること
君は実行する→君が実行すること
弱形人称代名詞 直接目的語のlo
NHK出版 これならわかるスペイン語文法
人称代名詞 より
弱形人称代名詞
直接目的語
単数3人称 lo/la
中性 lo
弱形人称代名詞の位置
1.活用している動詞の直前
2.不定詞、現在分詞、肯定命令の動詞の直後(スペースを空けない)
lo + 形容詞の用法
lo + suficienteを辞書で調べると、ここにもヒントがありました。
コトバンク
小学館 西和中辞典 第2版 より
https://richlink.blogsys.jp/embed/9507cb14-ca04-3252-bc4e-98d1953f7c82
lo suficiente(+形容詞・副詞)(como) para〔+不定詞/que+接続法〕
…するのに十分に[十分なだけ…な]
おまけ:名詞の省略
本日の例文を見ると、「お金」的な単語が出てきません。
Dentro de cinco años habrás ahorrado lo suficiente para comprarte un piso.
名詞の省略に関して、文法的なアプローチをひとつ紹介しておきます。
NHK出版 これならわかるスペイン語文法
名詞の省略 より
冠詞の後の名詞は、文脈等から省略した名詞が何であるか明らかで、形容詞句、所有詞強形、前置詞句、形容詞節等が続く場合、省略することができます。
a)冠詞+形容詞
d)冠詞+形容詞句
話の流れで省略しても伝わる場合は、冠詞と形容詞(句)があれば名詞は省略できるそうな。
以上を踏まえまして
本日の例文を見てみましょう。
Dentro de cinco años habrás ahorrado lo suficiente para comprarte un piso.
(5年後には、君はマンションを買うのに十分なお金を貯めているだろう)
lo が直接目的語であれば、活用動詞の前か、でなければ動詞の後ろにスペース無しでくっついてるはずです。
見たところどちらでもないので、この lo は定冠詞中性と判断できます。
そして lo の後ろには形容詞suficienteが続いていますので、先に紹介した lo + 形容詞名詞 の用法として考える事ができます。
それから、これは僕のやり方なのですが、直訳風にすると飲み込みやすくなることが多いです。
本日の例文も、そのようにアレンジしてみましょう。
Dentro de cinco años habrás ahorrado lo suficiente para comprarte un piso.
(5年後に君は、自分用に家を買うために十分な先立つものを貯蓄してるだろう)
「お金」という単語が出てこないので、こういうところは訳者のセンスみたいなのが現れるのでしょうねきっと。
と、いうわけで。
何となくでスルーしてると「なんだっけこれ」みたいになるloですが、整理してみると意外とシンプルでしたね。
大きく分けると「直接目的語」か「定冠詞」か、という話なので、まずはそこを動詞との位置関係で判断するのがいいのかなと思いました。
ややこしいと感じる文法ルールも、「全部で何パターンあるのかな」と全体像を把握してみれば、意外とややこしくないこともある。
そんなわけで以上、直接目的語のloと定冠詞のlo!!でした。
本日の参考図書