中国語の比較文って後半に罠があったりしませんかね

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2つの例文を見比べて、「东京的高」には的があって、「你好」に的がないのはなぜかわかります?

僕わかんない。

那里的物价没有东京的高
(そこの物価は東京ほど高くありません)

我的发音不如你好
(私の発音はあなたより下手ですよ)

どちらも比較否定文です。

你好じゃなくて你的发音好だったら悩むこともないんですけどねぇ。

今日はそんなお話です。

例文は 口が覚える中国語 より

単語の意味

那里的物价(そこの物価:名詞句)
没有(否定:副詞)
东京(東京:名詞)
(~の:助詞)
(高い:形容詞)

我的发音(私の発音:名詞句)
不如(否定:副詞)
(あなた:代詞)
(よい:形容詞)

「好」が動詞だと考えた

何で「的」がないんだろう?→そうだ、好が動詞だからだ!

「あなたが(発音を)上手くやる」という意味合いで、好が動詞だったら辻褄合うんじゃないかと思ったんです。

しかしながら、オンライン辞書のWeblioで調べても、「好」単独で「上手にする」という用法はないようで。

一応「你好」でも調べてみたけど、案の定あいさつの你好でした。

「的」の省略かな、とも思った

「●●▲▲」という意味合いで使える「」という単語。

この「」は場合によっては省略できます。

しかしながら、今回の例文で当てはまるパターンは無かったような気がするなあ…

と思いつつ念のため確認

NHK出版 これならわかる中国語文法
連体修飾語(定語) より

修飾される語句が「人間関係・所属集団」を表わす場合には、通常“的”は不要です

属性を表わすなどして熟語化している場合には“的”は不要です

疑問詞が連体修飾語になる場合
次のような例では、“的”を加えません
什么词典(何の辞書)
哪里人(どこの人)

中国語では数量詞フレーズの後ろに“的”は不要です

やっぱり、当てはまるパターンはなさそうです。

比較文の何かかな?と思った

何かってなんだ!って感じですが。

一応ニューエクスプレス中国語で文法の基礎は習ったつもりなんですが、僕の知らない比較文のルールがあるのかなあと思いまして。

おさらいも兼ねて引き続き「これならわかる中国語文法」比較表現の章をさらってみます。

が。

これといった情報を見つけられず。

ネット検索に頼る

万策尽きたところでネットの情報に頼ることにします。

ここまであれやこれやと調べ回った結果、やはり「」の欠落がキモだと思ったんですよ。

なのでそこら辺のキーワードでゴーグル検索します。

したら、ビンゴ!


中心語の省略
⑴ 他的儿子比我的(儿子)大
彼の息子は私の(息子)より年上です。
⑵ 在的条件比前几年(的条件)好得多。
現在の条件は数年前(の条件)よりずっと良くなりました。

国立情報学研究所 邢志強さん
日本語の「より」と中国語の「比」の比較 より
https://kokushikan.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=6083&item_no=1&attribute_id=189&file_no=1

この論文を見るに、「你好」は、場合によっては「你的发音好」に置き換えられるし、「东京的高」も「东京的物价高」だったり「东京高」に言い換えられると言うことです。

場合によって」というところは、日本語に置き換えて考える事ができます。

「の」を入れたければ「的」を入れて、「の」が必要なければ「的」も不要、って感じです。

没有东京物价高→東京物価より高くない
没有东京高→東京より高くない
没有东京高→東京より高くない

不如你发音好→あなた発音より良くない
不如你好→あなたより良くない
不如你好→あなたより良くない

「省略」というより、「言い回しの違い」ですかね。

今回参考にさしてもらった論文には、参考文献の方もしっかり記載がありまして、

参考文献1:現代中国語文法総覧

高ぇえええええ!!

参考文献2:日本語と中国語の対照研究論文集 単行本

これも高ぇええええええ!!!

趣味で買うにはちょっとお高いですかな…

高いお金出してまるで修行のような文法書を読み込んだ挙げ句さらにその知識を惜しげもなく世に出してくれた邢志強さんに感謝でございますね。

ちなみに邢志強さんの「邢」って字がPDFからはなぜか頑なにコピペできなくて、読み方もわからなくって、この記事に貼り付けるの意外と苦労しました。

「ケイかな?」とあたりをつけてゴーグルで検索したら「ケイ志強」さんが出てきて、この人じゃないかなって勝手に思ってます。

本いっぱい出してる!

とりあえず、超絶洗練されただけのただのスーパー知識人のようです。

ありがとう、邢志強さん!

と、いうわけで

日本語堪能な中国人と思われる非常にハイスペックな留学生様のお陰で無事スッキリすることができました。

数年前からゴーグルの検索上位がPDFの論文になり始めていますね。

当初は、読み難いからっつって敬遠してたんですが、内容の信頼性といいますか、質はやはりよいです。

これからは論文も敬遠せず、有効に活用さしてもらおうと思いましたよ!

そんなわけで以上、比較文(に限らず)「的」の言い回しを攻略して文化的で洗練された中国語表現を手に入れようでした!

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