みなさんは「see of」という句動詞を知ってますでしょうか。
ぼくしらない。
The lake was so full of holes and mounds that it reminded Stanley of pictures he’d seen of the moon.
(その湖は、かつてスタンレイに数々の写真を思い出させた穴と盛り上がりで満ち満ちていていてその月を見て当時に至った???)
例文は、ルイス・サッカーさん Holesより
意味はわかるけれども
そりやまあ、何となく意味はわかるんですよ。
The lake was so full of holes and mounds that it reminded Stanley of pictures he’d seen of the moon.
(その湖は、かつてスタンレイが見たことのある数々の月の写真を思い出させた穴と盛り上がりで満ち満ちていていた???)
凸凹した湖の表層をみて、月の写真を思い出してるんですよね。
それはわかるんですが、英文法初級を卒業して中級を目指したい僕としては、文構造を把握しつつ、攻略できるようになっときたいと思うわけなんですよ。
基本は一文一動詞
長文読解の基本は、一文一動詞です。
悩んだら、一文一動詞ルールに沿ってとりあえず手を動かしてみるのが意外と有効です。
The lake was so full of holes and mounds that it reminded Stanley of pictures he‘d seen of the moon.
動詞は
was
remined
‘d(had)
この3つでしょうか。
この動詞ごとに文を区切っていきます。
1.The lake was so full of holes and mounds
2.that it reminded Stanley of pictures
3.he‘d seen of the moon.
区切ったら、和訳を付けてみましょう。
1.The lake was so full of holes and mounds
(その湖は穴と盛り上がりで満ち満ちていた)
2.that it reminded Stanley of pictures
(何かって言うと、スタンレイに写真の数々を思い出させたそれ)
3.he‘d seen of the moon.
(彼は月を見て当時に至った)
ここで今日の本題、「see of」って、なに?
という話になってくるのでございますよ。
辞書で出てくれば話は早いけれど
僕が絶対的な信頼を置くジーニアス英和辞典でこの句動詞が出てくれば話は早いですが。
辞書を引いても、「see off」ばかりが出てくるばかり。
大正義ジーニアスに、これ見よがしにsee offの前にも後ろにも載せてないってことは、「see of」という句動詞とか慣用表現は、無いと判断してよいです僕の経験上。
だって辞書に載ってねーもの。
see ofは句動詞ではない。
となると、つまり。
省略・移動を疑う
本来連続するはずのないseeとofが連続してるということは。
間に本来あるべき何かが省略されている。
もしくは、
本来あるべき位置から何かが移動されている。
大体このどちらかです。
1.The lake was so full of holes and mounds
(その湖は穴と盛り上がりで満ち満ちていた)
2.that it reminded Stanley of pictures
(何かって言うと、スタンレイに写真の数々を思い出させたそれ)
3.he’d seen [???] of the moon.
(彼は月を見て当時に至った???)
この[???]に、本来あるべき何かを考えてみましょう。
先行詞
省略や移動の気配を感じた時は、先行詞を探します。
先行詞を探しやすいように、さっきバラした文を元に戻します。
The lake was so full of holes and mounds that it reminded Stanley of pictures he’d seen [???] of the moon.
(その湖は、かつてスタンレイに数々の写真を思い出させた穴と盛り上がりで満ち満ちていていてその月を見て当時に至った???)
he’d seenの前に丁度良くpicturesがありますね。
picturesを先行詞と仮定して、本来の位置に仮置きしてみると、
he’d seen pictures of the moon.
(彼は月の写真達を見て当時に至った)
ちょっと意味が通じてきたような気がしてきませんかみなさま!
thatを補う
つまり、picturesを先行詞にして、どんなpicturesかを説明してるんですね。
thatを補うとよりわかりやすくなるかもしれません。
The lake was so full of holes and mounds that it reminded Stanley of pictures that he’d seen pictures of the moon.
補足:ここまでの内容がそもそも難しいという方へ
ここまでの内容ですでに頭パーんなってついていけてないんですが!
もっとわかりやすく説明しろハゲ!
という方は、長文読解に挑戦するのがちょっとだけ早かったのかもしれません。
この機会に、英文法の基礎に立ち返ってみるのが一見遠回りのようで近道になると思います。
本日の例文や、なんならこの記事をそのまま見せて、
「この英文を理解できるようになりたいんじゃ!」
「活用動詞の見つけ方教えてくれ!」
「関係詞を教えてくれ!」
と英語に詳しい人に聞くのがよいと思います。
知り合いに英語に詳しい人がいないという方は、日本人講師のオンラインレッスンを受けてみるのもありです。
「日本人講師」というところが味噌で、英文法を教わるなら、英語ネイティブよりも、日本語でしっかり意思疎通ができる日本人の方が適しています。
文法上の疑問や質問を日本語で行えますし、もちろん回答も日本語ですから、英文法の理解に集中できるからです。
自習中に出てきた「なんでこうなるんだ…」となった疑問をメモしておいて、レッスン時間中はとにかく先生に質問を浴びせ倒します。
自習
↓
疑問
↓
先生に質問
↓
なるほど!
↓
自習
このようなよいサイクルが生まれれば、非常にコスパの高いレッスンにすることができるわけです。
講師が日本人で、レッスン内容も柔軟に対応してくれるオンラインレッスンがお薦めでございますよ。
以上を踏まえまして。
The lake was so full of holes and mounds that it reminded Stanley of pictures he’d seen of the moon.
(その湖は、かつてスタンレイに数々の写真を思い出させた穴と盛り上がりで満ち満ちていていてその月を見て当時に至った???)
今日の辿った手順の振り返りです。
一文一動詞で文を分ける
↓
「see of」ってなんか変じゃね?
↓
辞書にも載ってね-ぞ!
↓
なんか省略されてる?
↓
先行詞を探す
↓
先行詞はpictures
↓
picturesを本来の位置に
↓
省略thatも復元
↓
The lake was so full of holes and mounds that it reminded Stanley of pictures that he’d seen pictures of the moon.
(その湖は穴と盛り土で満ち満ちていて、それはどんな穴と盛り土かっていうとね、スタンレイに写真の数々を思い出させるような穴と盛り土で、どんな写真達かっていうとね、彼が見て当時に至った写真の数々)
自然な日本語にしますと、
↓
その湖は穴と盛り土でいっぱいで、その様はかつてスタンレイが見た月の写真たちを思い出させた。
こんな解釈でいかがでしょうか!
答え合わせ
幸田さんの和訳と答え合わせしてみましょう。
幸田敦子さん訳:穴 より
湖底は穴ぼこだらけで、掘り返した土の小山がいくつもあり、スタンリーは、いつだったか見た、月の写真を思い出した
まぁ、ツボは押さえてると思うので自分的には合格点と思いますよ!
ウェーイ。
と、いうわけで。
長文読解は、thatの省略や先行詞の移動にいかに気づけるかというのがポイントのひとつだと、つくづく感じますねー。
この調子で引き続き頑張りましょうー。
●本日の参考図書
英語学習で一番大切なことって知ってます?ぼくしってる。本出してるし
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