みなさまこんにちわ。
いらっしゃい、この野郎。
Sureというのは形容詞だと思っていたのですが、
実はそうでもないと尻ました。
本日はそんなsureな話なのですが、例文がHolesという物語の核心にちょっと触れてる部分がございますゆえ、
ネタバレにはご注意でございますよさてみなさま以下の文。
sureの品詞とか意味とかわかりますですかねみなさま。
ぼくわかんない。
“Go ahead and kill me, Trout,” said Kate.”But I sure hope you like to dig.’Cause you’re going to be digging for a long time.”
「さあどうぞ私を殺してトゥロウト」ケイトは言った。「しかし私は確かに望むあなたが掘ることを好きなことを。なぜならあなたは長いこと穴掘りをすることになるのだから???)
例文は、ルイス・サッカーさんのHolesより
テーマはsure
本日のメインテーマはsureです。
“Go ahead and kill me, Trout,” said Kate.”But I sure hope you like to dig.’Cause you’re going to be digging for a long time.”
「さあどうぞ私を殺してトラウト」ケイトは言った。「しかし私は確かに望むあなたが掘ることを好きなことを。なぜならあなたは長いこと穴掘りをすることになるのだから???)
文脈を理解するために前後の文を付け加えてありますが、キモは「2」の文です。
1.“Go ahead and kill me, Trout,” said Kate.
「さあどうぞ、私を殺して」ケイトは言った。
2.“But I sure hope you like to dig.
「しかし私は確かに望むあなたが掘ることを好きなことを」???
3.‘Cause you’re going to be digging for a long time.”
「なぜならあなたは長いこと穴掘りをすることになるのだから」
一見形容詞とも思える「2」のsureが、本日の主人公でございます。
sureの意味
ジーニアス英和辞典 より
sure 形容詞
(人が)確信している
派生:surely 副詞
sureは形容詞です。
しかしながら、本日の例文は第二文型SVCではないですし、
sureが修飾してそうな名詞もありません。
“But I sure hope you like to dig”
(しかし私は確かに望むあなたが掘ることを好きなことを???)
このsureは何ですかー
って話になってくるわけなのでございます。
ワンチャンhopeが名詞?
百歩譲ってhopeが名詞という線で考えてみますか?
ジーニアス英和辞典 より
hope 名詞
希望、望み
“But I sure hope you like to dig”
(しかし私は確かに望むあなたが掘ることを好きなことを???)
↓
(しかし私は確かな希望あなたが掘ることを好きなことを???)
そうすっと、「私」にかかる動詞がなくなってしまいますよね。
だから、hopeが動詞と考えるのが自然と思います。
まぁ、わかってたけど!わはは!
sureが副詞?
sureが形容詞・副詞同形という説はどうでしょう。
“But I sure hope you like to dig”
(しかし私は確かに望むあなたが掘ることを好きなことを???)
ジーニアス英和辞典 より
sure 形容詞
(人が)確信している
派生:surely 副詞
わざわざ「副詞形はsurely」って書いてあります。
しかしながら、にも関わらず、副詞surelyにはこんな記述もあります。
ジーニアス英和辞典 より
surely 副詞
確かに、必ず、きっと
確実に、着実に
surely [→ sure]
surely [→ sure]
↑これ。
「sureを見よ」って意味らしいです。
ほいで、もっかいsureを見ると、副詞のsureがあります。
ジーニアス英和辞典 より
sure 副詞
<主に米略式>確かに、本当に
[返答として]いいとも、もちろん
あの「Sure(もちろん)!!」って副詞だったのですね
副詞のsure補足
ほいで文法書を探してみれば、これはsureの副詞的用法というよりも、
形容詞の副詞的用法の領域なのではないかな?
となってくるわけです。
徹底例解ロイヤル英文法
接尾辞のつかない副詞と-ly形の副詞 より
LGSWEによれば統計的には、話し言葉では接尾辞のつかない副詞が多く用いられ、書き言葉、特に硬い文章では-lyのついた形の副詞が多く用いられているという
さらに徹底例解ロイヤル英文法
形容詞の名詞用法・副詞用法その他 より
形容詞は-lyをつけずにそのままの形で副詞として用いる。
(3)文全体を修飾する
Sure enough, he didn’t come
(はたして彼は来なかった)
*この場合は完全な副詞として扱われる場合が多い。
Surelyとしても意味は変わらない。
副詞を-lyじゃなくて形容詞形で使うと、文全体の修飾になると。
なるほどね。
ほいで、「文全体を修飾する」って、何?
文全体の修飾
文全体を修飾するとは、どういうことでしょうか。
2.“But I sure hope you like to dig.
「しかし私は確かに望むあなたが掘ることを好きなことを」???
本日の例文で考えますと、
But I hope you like to dig.
(しかし私は望むあなたが掘ることを好きなことを)
↑この文全体を、sureが「本当にね」と補強しているということになります。
自然な日本語にしつつ、sureで文全体を修飾すると、
(でも私はあなたが穴掘りを好むことを望みます。本当に。)
文の中に入れ込むより、こんな感じで分けて置いてあげるとそのニュアンスが出るのではないかな、
と僕は思いましたよ。
文の前後関係
文脈からも意味を補強するため、前後関係も確認しておきます。
が、これは物語の核心に触れているので、
ネタバレを避けたい方はSureの理解を諦めて、
一旦Holesを読み終えてから戻ってきてくだされ。
宝のありかを白状させるため、ケイトに銃を突きつけるトラウト。
しかし、すでに生きる希望を失っているケイトに脅しはききません。
宝の在処がわかりませんから、トラウト達はあてもなく延々と穴を掘ることになるのでしょう。
そんな件りでございます。
以上を踏まえまして。
再び本日の例文を見てみましょう。
1.“Go ahead and kill me, Trout,” said Kate.
「さあどうぞ、私を殺してトラウト」ケイトは言った。
2.“But I sure hope you like to dig.
「しかし私は確かに望むあなたが掘ることを好きなことを」???
3.‘Cause you’re going to be digging for a long time.”
「なぜならあなたは長いこと穴掘りをすることになるのだから」
本日のキモは「2」の文です。
hopeの後ろにthat(~なこと)を補ってあげるとよりわかりやすいかもしんないです。
2.“But I sure hope that you like to dig.
「しかし私は確かに望む、あなたが掘ることを好きということを」???
sureは形容詞ですが、アメリカ英語の口語では、-ly形にせず形容詞のまま副詞として用いられることが多いということでした。
そして形容詞形のまま副詞として用いられると、文全体の修飾を示すことになるのでしたね。
(形容詞の副詞的用法)
2.“But I sure hope that you like to dig.
「しかし私は確かに望む、あなたが掘ることを好きということことを」???
↓
2.“But I sure hope that you like to dig.
「しかし私は望む、あなたが掘ることを好きということことを。本当に。」
以上を踏まえて本日の例文を解釈しますと、
“Go ahead and kill me, Trout,” said Kate.”But I sure hope you like to dig.’Cause you’re going to be digging for a long time.”
「さあどうぞ、私を殺してトラウト」ケイトは言った。「でも、私はあなたが穴掘りを好むことを望むわ。本当よ。だってあなたは長いこと穴掘りをすることになるのだから)
こんな解釈でいかがでしょうかみなさま!
答え合わせ。
それでは幸田さんの日本語訳と答え合わせをしてみましょう。
幸田敦子さん訳:穴 より
「さっさと殺せばいいじゃない」ケイトは言った。「穴掘りがお好きだといいんだけど。だってこれから、延々と掘りつづけてゆくんだもの」
幸田さんの訳からはsureのニュアンスが中々読み取り難いですね。
銃を突きつけられたケイトさんは皮肉を言っているのだと思いますが、
「ほんとう、お気の毒」
みたいなところに、sureの存在意義があったりするのかなあ、
なーんてなことを僕は考えたのですが、みなさまはどうでしょうかね。
と、いうわけで。
幸田さんがsureから何を読み取ったのかクリアにすることはできませんでしたが^^;
形容詞の副詞的用法という文法項目を認知できただけでも、よしとしますよ僕は!
では、さいなら。
◆本日の参考図書
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