「二重否定」だけど「肯定じゃない」don’t go saying nothingって知ってます?ぼくしらない。

英語
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僕は英語の否定文が苦手な時があります。

「無いが有る」とか、

「有るが無い」とか、

日本語だと肯定なのに「No」って答えたり、

日本語だと否定なのに「Yes」って答えたり、

なんか捻くれてるからです。

それを友人のアメリックに言ったら、

「ニッポンジンだって、しないこともなくない、とか言うじゃん」

とか怒られそうですが。

きっとみなさまも、英語の捻じくれた否定表現に戸惑っていることでしょう。

僕が苦手なんだから、みんなも同じじゃなきゃイヤだ!やだやだ!

そんなわけでみなさま以下の文。

二重否定を踏まえつつ、適切な和訳を付けれれますですかねみなさま。

ぼくできない。

“Now don’t go saying nothing bad about Charles Walker,” said the sheriff.
(「今、何も言わない事へ行くな悪くチャールズ・ウォーカーについて」保安官は言った???)

例文は、ルイス・サッカーさんのHolesより

go sayingの意味

ジーニアス英和辞典 より

略式 通例否定の命令形で
好ましくないことをするな 非難の意を含む
Don’t go saying that!
(そんなことを言うな)

さすがジーニアス。

ズバリ載ってた!わはは!

基本的に否定命令で「~するな」という意味になるそうな。

Don’t go saying that!
(そんなことを言うな)

本日の例文も「言うな」という意味合いになるのでしょうが、

“Now don’t go saying nothing bad about Charles Walker,” said the sheriff.
(「今、何のことも言うな悪くチャールズ・ウォーカーについて」保安官は言った???)

問題は、そこにさらに否定の意味を含むnothingがあることなんですよねぇ。

nothingの意味

ジーニアス英和辞典 より

nothing 代名詞
何も…ない
少しも…ない

へー、nothingは代名詞なんですね。

さらに、

ジュニアアンカー英和・和英辞典 より

She said nothing.
(彼女は何も言わなかった)

肯定文でnothingを使うと、否定文になります。

それはわかる。

じゃあ、否定文でnothingを使うと?

二重否定文

表現のためのロイヤル英文法
二重否定 より

標準英語では、否定の否定は肯定という理屈で「~しないAは…ない」という形は、形式的には否定文であるが、意味上は肯定になる。

肯定文の否定→否定
She said nothing.
(彼女は何も言わなかった

否定文の否定→肯定

She didn’t say nothing.
(彼女は何も言わなくなかった

(彼女はなんか言った)

なんだこれ!わはは!

つまり、肯定じゃん。

本日の例文を見ると、否定否定なので、文法書に従うと肯定となってしまいます。

“Now don’t go saying nothing bad about Charles Walker,” said the sheriff.
(「今、何も言わない事へ行くな悪くチャールズ・ウォーカーについて」保安官は言った???)

悪く言わないことをするな

悪く言え???

調べれば調べるほど「???」だったので、今日は先に答えを見ちゃいますね。

カンニング。

“Now don’t go saying nothing bad about Charles Walker,” said the sheriff.
(「今、何も言わない事へ行くな悪くチャールズ・ウォーカーについて」保安官は言った???)

幸田敦子さん訳:穴 より

「チャールズ・ウォーカーのことなら、悪く言うな」保安官は遮った。

やっぱり、「悪く言うな」と否定命令です

否定の否定なのに、否定のままってどういうことなんでしょうね。

標準英語と非標準英語

参考書をひっくり返して、ようやく見つけましたよ!

徹底例解ロイヤル英文法
P761 否定語+否定語が否定を表す場合 より

くだけた言い方や俗語では、否定語を重ねて単なる否定を表すことがある。
これは標準的な言い方ではないので、一般には避けたほうがよい。

(?)No one never said nothing to nobody.非標準
正:No one ever said anything to anybody.標準
(誰も誰にも言ったことがない)

否定+否定の二重否定でも、肯定ではなく否定になるパターンの記述を見つけました!

ゴールが見えてきましたよみなさま!

文の前後関係で手がかりを補強

ここで文の前段階から、保安官の人となりを確認しておきます。

チャールズ・ウォーカーが牛耳るグリーンレイクタウン。

暴徒と化した群衆を止めるため、キャサリン先生は保安官のオフィスに走ります。

しかしながら、そこにいたのは足を机に投げ出し、昼間から酒を飲む不良保安官でした。

この記述から、保安官が標準英語ではなく、砕けた非標準英語を話しても不思議ではない人となりである。

そう考えることができるわけです。

nothingとbadの位置。

最後に、僕的に不思議だった、「bad」の謎を解いて仕上げましょう。

badは形容詞です。

なので不定代名詞であるnothingを修飾することは可能です。

しかしながら、通常、形容詞は名詞の前に置かれます。

“Now don’t go saying nothing bad about Charles Walker,” said the sheriff.
(「今、何も言わない事へ行くな悪くチャールズ・ウォーカーについて」保安官は言った???)

もしかしたらbadは副詞で、動詞を修飾してるのかもしんない、とも思いましたが。

badの副詞形は「badly」でした。

ここでもまたもや迷宮入りかと胃が痛くなりかけましたが、

徹底例解ロイヤル英文法
不定代名詞 より

nothing
(1)一般用法
形容詞(相当語)は後ろにつける。
There is nothing new in this report.
(このレポートには何ら新しいことが書かれていない)

nothingを修飾する時は、後置修飾になるということですね!

材料は揃いましたよみなさま!

以上を踏まえまして。

“Now don’t go saying nothing bad about Charles Walker,” said the sheriff.
(「今、何も言わない事へ行くな悪くチャールズ・ウォーカーについて」保安官は言った???)

don’tnothingで二重否定になっております。

標準英語であればこれは肯定文になるところですが、そこは素行の不良な保安官。

標準英語なんてクソ喰らえ。

否定+否定だけど、そのまま否定命令しちゃいます。

さらに不定代名詞nothingは後置修飾なので、形容詞badnothingの後ろに置かれます。

“Now don’t go saying nothing bad about Charles Walker,” said the sheriff.
(「今、何も言わない事へ行くな悪くチャールズ・ウォーカーについて」保安官は言った???)

“Now don’t go saying nothing bad about Charles Walker,” said the sheriff.
(「ここでチャールズ・ウォーカーについて悪く言うな」保安官は言った)

ウェイヨー!!

と、いうわけで。

大抵のことは「表現のためのロイヤル英文法」で済んでしまうのであまり出番はありませんでしたが、

本日はその上位互換である「徹底例解ロイヤル英文法」が大活躍のお題でしたね。

むしろこれがなかったら今日の記事もお蔵入りしていたことでしょう。

「別々に買ったら送料余計にかかるし、まとめて買っちゃえ」

と思い切って買っといてよかったですわ。

長文読解のお供に、ロイヤル英文法シリーズ。

みなさんもどうぞー!!

以上、不良は二重否定でも肯定じゃなくて否定!でした。

◆本日の参考図書

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