これが理解できたら英語の長文読解初級はひとまず卒業でいいのかもしんない、と思う。

外国語英語
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ルイス・サッカーさんのHolesで長文読解攻略中のわたしですが。

英語の長文読解って、結局、関係詞系の省略とか移動にいかに気がつけるかというとこが味噌だと感じています。

が、味噌に気付いているからとは言へ、「じゃあスムーズに読めてるのかてめぇ」というと話は別で、

やはりある程度数をこなして熟れる必要はあるかな、

とも思うわけであります。

そんなわけで本日は、

「タネと仕掛けはわかってるけどなんか読み解き難い」

そんなちょっとだけ(ちょっとだけとは言ってない)鬱陶しい例文に今日は挑戦してみようと思いますよ。

今日の英文が読み解ければ、長文読解初級は卒業ですよさてみなさま以下の文。

文構造を把握したうえで、適切な和訳を付けれれますですかねみなさま。

ぼくできない。

The only thing that got him out of bed was knowing that every second he wasted meant he was one second closer to the rising of the sun.
(ただひとつのこと、彼をベッドの外へ追い出すのは知っている、毎秒彼が無駄にするのが意味する彼は一秒近づいた太陽の上昇に向かって???)

例文は、ルイス・サッカーさん Holesより

長文読解 基本の一文一動詞

大事なことなので僕はもう何百万回と説明していますが、

長文読解で悩んだら「一文一動詞」の法則に従って文を分けてみましょう。

巨大な敵を一度に相手にしようとすれば不利だけど、

小さく分割して各個撃破していけば、必ず勝機は見えてくるはずです。

長文読解って、なに?

という方は以下の記事が役に立ったり立たなかったりするかもしれません。

The only thing that got him out of bed was knowing that every second he wasted meant he was one second closer to the rising of the sun.

活用動詞はこんな感じでしょうか。

got out
was
wasted
meant
was

活用動詞が一個だけになるように、「一文一動詞」で文を分けていきますよ。

The only thing that got him out of bed

was knowing that every second

he wasted

meant

he was one second closer to the rising of the sun.

動詞だけの文があったりちょっと不安になりますが、

グジグジ悩むのはやれることがなくなった後にしろオラァ!!

なーんてことはこれっぽっちも思っておりませんよってとりあえず日本語訳をつけてみます。

1.The only thing that got him out of bed
(ただひとつのこと、それは何かって言うと、彼をベッドから追い出す)

2.was knowing that every second
(毎秒ということを知っていた)

3.he wasted
(彼は無駄にした)

4.meant
(意味した)

5.he was one second closer to the rising of the sun.
(彼は一秒近づいた太陽の上昇へ向けて)

さっきよりもなんか文の言いたいこと伝わり始めた気がしませんか。

まだしねーか。

分けた文を一つずつ見てゆきましょう。

1.The only thing that got him out of bed

省略されることの多い関係代名詞のthatですが、ここでは省略されていません。

なんでかって言うと、それはなんでかって言うと、主語だからです。

主語だとなんで省略されないのかって言うと、それはなんでかと言いますと、主語だからです。

表現のための実践ロワイヤル英文法
関係代名詞の省略 より

主格の関係代名詞を省略できるのはいくつかの特別な場合に限られる。
文脈が混乱しないように考える必要がある

100%当てはまるわけではありませんが、thatが省略されてなかったら、「主語なのでは?」とアタリをつけるのもよいかもしれませんね。

1.The only thing that got him out of bed
(ただひとつのこと、それは何かって言うと、彼をベッドから追い出すただひとつのこと)

(ただ一つのことは、彼をベッドから追い出した)

(彼をベッドから追い出したたった一つこと)

2.was knowing that every second

was knowing that every second
(毎秒ということを知っている)

いきなりbe動詞wasで始まってますから、主語を探す必要があります。

ここで、

「1」の文がまるまる主語になってるんじゃねえか?

と、感じられるかどうかが長文読解の味噌です。

1.The only thing that got him out of bed
(彼をベッドから追い出したたった一つことは、)

2.was knowing that every second
(●●は、毎秒ということを知っている)

(彼をベッドから追い出したたった一つのことは、毎秒ということを知っている)

「1」の文が、どうやら「2」の文の主語のようだぞ。

というところを押さえて次に進みましょう。

was knowingというのは一見すると現在進行系です。

しかしながら、ここで現在進行形に関して、考慮しなければいけないポイントがあります。

状態動詞

現在進行形は、「be動詞+現在分詞」で表現します。

「2」の文も、「was knowing」と進行形になっています。

2.was knowing that every second

しかしながら、すべての動詞が進行形をとれるわけではありません。

ジーニアス英和辞典 より

know:
◆進行形・命令形不可

knowは「状態動詞」と考えることができます。

「状態動詞」は、通常進行形はとらず、現在形で表現されます。

表現英文法GEF
動作動詞と状態動詞 より

動作動詞は進行形にすることができ、状態動詞は進行形にできない、というのが両者を区別する一応の基準です

「絶対に進行形にできない」というわけではないようですが、状態動詞knowを敢えて進行形で使う場合、かなり特殊でねくりまわした意味合いになりそうです。

つまり進行形のknowingではない

つまり、「2」の文のknowingは、進行形ではないと考える必要があります。

2.was knowing that every second

進行形のingは、「現在分詞」です。

ing形には、もうひとつあります。

そうです、「動名詞」です。

現在分詞のknowing。

動名詞のknowing。

何がちゃうねん!

という話ですよね。

動名詞は「すること」

細かい話をすれば色々あるのだと思いますが、そこまでは僕も尻ません。

なのでここでは、

現在分詞は「~している」

動名詞は「~すること」

とだけ覚えましょう。

つまり「2」の文は、
2.was knowing that every second
(●●は、毎秒ということを知っていた)

ではなく、

2.was knowing that every second
(●●は、毎秒という事を知ることだった)

という違った訳がみえてくるわけですね。

1.The only thing that got him out of bed
(彼をベッドから追い出したたった一つことは、)

2.was knowing that every second
(毎秒ということを知ることだった)

(彼をベッドから追い出したたった一つのことは、毎秒ということを知る事だった)

補足:ここまでの内容がそもそも難しいという方へ

ここまでの内容ですでに頭パーんなってついていけてないんですが!

もっとわかりやすく説明しろハゲ!

という方は、長文読解に挑戦するのがちょっとだけ早かったのかもしれません。

この機会に、英文法の基礎に立ち返ってみるのが一見遠回りのようで近道になると思います。

本日の例文や、なんならこの記事をそのまま見せて、

「この英文を理解できるようになりたいんじゃ!」

「活用動詞の見つけ方教えてくれ!」

「関係詞を教えてくれ!」

と英語に詳しい人に聞くのがよいと思います。

知り合いに英語に詳しい人がいないという方は、日本人講師のオンラインレッスンを受けてみるのもありです。

「日本人講師」というところが味噌で、英文法を教わるなら、英語ネイティブよりも、日本語でしっかり意思疎通ができる日本人の方が適しています。

文法上の疑問や質問を日本語で行えますし、もちろん回答も日本語ですから、英文法の理解に集中できるからです。

自習中に出てきた「なんでこうなるんだ…」となった疑問をメモしておいて、レッスン時間中はとにかく先生に質問を浴びせ倒します。

自習

疑問

先生に質問

なるほど!

自習に戻る

以下繰り返し

このようなよいサイクルが生まれれば、非常にコスパの高いレッスンにすることができるわけです。

講師が日本人で、レッスン内容も柔軟に対応してくれるオンラインレッスンがお薦めでございますよ。

続き:3.he wasted

「1」と「2」の文を分析した段階ではまだ自然な日本語は見えてきませんが、とりあえず最後までやってから考えますよ!

3.he wasted
(彼は無駄にした)

何をやねん!

という話ですよね。

wasteは、人が主語の場合は他動詞が自然です。

ジーニアス英和辞典 より

waste:他動詞
(人が金・時間・財産などを)浪費・消費する、消耗する、むだに使う

「3」の文には、「金・時間・財産」にあたる直接目的語がありません。

つまり、省略・移動を疑います。

試しに後ろの文を見てみます。

が、「4」の文はこれまた珍妙なことに動詞しかありません。

4.meant
(意味した)

「3」と「4」の文だけを見るとまるで意味が通じないので、「3」と「2」の文とのつながりを考えます。

2.was knowing that every second
(毎秒ということを知ることだった)

無駄遣いできそうな、「every second」という単語がありますね。

省略されてそうなthatを補って、every secondを、「3」の文の直接目的語の位置に移動してみましょう。

2.was knowing that every second
(毎秒ということを知っている)

3.every secondthat he wasted every second
(毎秒、それは何かって言うと、彼が無駄遣いした毎秒)

何だか意味が通じてきそうな予感がします。

ここまでの文を通して読み解いてみます。

1.The only thing that got him out of bed
(彼をベッドから追い出したたった一つことは、)

2.was knowing that
(●●ということを知ることだった)

3.every second that he wasted every second
(●●とは、毎秒、それはどんな毎秒かって言うと、彼が無駄遣いした毎秒)

(彼をベッドから追い出したたった一つのことは、彼が無駄遣いした毎秒を知ることだった)

4.meant

動詞だけ見せられても、という感じですが。

meantはmeanの過去形、もしくは過去分詞ということです。

過去形であれば主語があります。

過去分詞であれば修飾される部分があります。

しかし過去形と過去分詞は同形。

どっちだかわからん。

…というわけで、最後の「5」の文を見ちゃいましょう。

5.he was one second closer to the rising of the sun.

謎だった「4」の文ですが、後ろに続く要素が、このように単純な名詞や名詞句ではないため、過去分詞で修飾することはできないと判断します。

つまり、meantは過去形と見ました。

となれば、thatを補完して、

4.meant that
(~ということを意味した)

5.(that) he was one second closer to the rising of the sun.
(何を意味してたかって言うと、彼は太陽の上昇に向けて一秒近づいたということを)

何やら全体像が見えてきましたですかねみなさま。

文の前後関係

仕上げに文の前段階も把握しておきます。

更生プログラム1日目を終えたスタンレイ。

眠りについたあと、朝はあっという間にやって来た。

1日中穴を掘りまくったため、身体のあちこちは悲鳴を上げている。

それでもスタンレイは、ベッドから起き上がらなければなりません。

と、そんな件りでございます。

どんなに身体が辛くても、ベッドから起き上がらなければならない事情があります。

何でかって言うと、それは何でかといいますと…

以上を踏まえまして。

ここまでの最大限自分に都合よく改変した和訳を並べてみましょう。

1.The only thing that got him out of bed
(彼をベッドから追い出したたった一つことは、)

2.was knowing that
(●●ということを知ることだった)

3.that every second that he wasted every second
(●●とは、毎秒、それはどんな毎秒かって言うと、彼が無駄遣いした毎秒)

4.meant that
(それは、~ということを意味した)

5.that he was one second closer to the rising of the sun.
(何を意味してたかって言うと、彼は太陽の上昇に向けて一秒近づいたということ)

「1」の文は、「2」の動詞wasの主語と思われるので、くっつけます

1+2.The only thing that got him out of bed was knowing that~
(彼をベッドから追い出したたった一つことは、~ということを知ることだった)

3.that every second that he wasted every second
(~とは、毎秒、それはどんな毎秒かって言うと、彼が無駄遣いした毎秒)

4.meant that
(~ということを意味した)

5.that he was one second closer to the rising of the sun.
(何を意味してたかって言うと、彼は太陽の上昇に向けて一秒近づいた)

何を知ることが、「ただ一つのこと」なのか?

それを「3」「4」「5」で説明しています。

3+4+5.that every second that he wasted every second meant that he was one second closer to the rising of the sun.
(~とは、毎秒、それはどんな毎秒かって言うと、彼が無駄遣いした毎秒は、意味していた、何を意味してたかって言うと、彼は太陽の上昇に向けて一秒近づいたことを)

自然な日本語にします。

(彼が無駄にした毎秒は、太陽の上昇に向かって一秒近づいた、ということを意味した)

「1+2」と、「3+4+5」が文の大枠ということです。

1+2.The only thing that got him out of bed was knowing that
(彼をベッドから追い出したたった一つことは、~ということを知ることだった)

3+4+5.(that) every second that he wasted every second meant that he was one second closer to the rising of the sun.
(それは、毎秒、どんな毎秒かって言うと、彼が無駄遣いした毎秒は、~ということを意味した、何を意味してたかって言うと、彼は太陽の上昇に向けて一秒近づいたことを)

この2つの塊をくっつけますと、

(彼をベッドから追い出したたった一つのことは、彼の無駄遣いした毎秒は、太陽の上昇に一秒近づくということを知ることだった)

自然な日本語にします。

(1秒無駄にする毎に、1秒太陽が登る。それを知っていることが、彼をベッドから起き上がらせる唯一の原動力だった)

もうちょい自然にできるかな?

(1秒無駄にする毎に、1秒太陽が登る。それを知っていたからこそ、彼はベッドから起き上がることができた)

こんな解釈でいかがでしょうかみなさま?

答え合わせ。

幸田さんの日本語訳を見てみましょう。

幸田敦子さん訳:穴 より

それでもどうにか這い出ることができたのは、ぐずぐずすればそれだけ日の出が迫ってくる、とよくよくわかっていたからだ

身体が痛くて横になっていたい。

でも動き出さなきゃもっとしんどい目に遭う。

それを知ってるから、えいやっとベッドから起き上がる。

そんなところをおさえられてれば、まあよいんじゃないでしょうか。

ウェイヨー。

と、いうわけで。

初級英語長文読解で躓きそうなポイントがギチギチに詰まったような例文でしたが。

逆に言うと、本日の例文が読み解ければ、多分Holesは最後まで読み通せるんじゃないかと思いましたよ。

長文読解初級卒業の一つの基準として、参考にしてみて下さいませ。

以上、これがわかれば長文読解初級卒業!でした。

●本日の参考図書

英語学習で一番大切なことって知ってます?ぼくしってる。本出してるし

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