苦手なWouldの克服法って知ってます?僕しらない。

英語
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僕はwouldが苦手です。

なぜならば、ようわからん用法が色々あるからです。

僕と同じように、wouldが苦手ゆえに「~だろう」という日本語訳を無理やり当てはめ、お茶を濁している人も多いことでしょう。

僕が苦手なんだから、みんなも苦手じゃなきゃイヤだ!やだやだ!

そんなわけでみなさま以下の文。

wouldを踏まえて適切な和訳を付けれれますですかねみなさま。

ぼくできない。

The jerred peaches would last all winter. They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.
(瓶詰めされた桃は一冬保つだろう。それらは恐らく保っただろうそれよりもかなり長く、しかしそれらはいつも冬の終わりまでにはすでに食われた???)

例文は、ルイス・サッカーさんのHolesより

willのイメージ

wouldはwillの過去形です。

なのでwouldの前にその原形のwillを掴んでおきましょう。

英単語イメージハンドブック
助動詞関連のイメージ より

willの基本イメージ それは精神の活動。
具体的にはA.予測 B.意思を表します。

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基本イメージは「予測」と「意思」だそうです。

じゃあwouldは?

wouldはwillの過去形です。

過去形ではありますが、単に過去時制を表すだけではないのでしたね。

英語の過去形は、過去形じゃないって知ってます? より

過去形は、確かに過去時制を表す機能もありますが、
それは「遠さ」を表す核となる機能の一部にしか過ぎないということです。
1.現在からの遠さ→過去
2.現実からの遠さ→仮定
3.相手との遠さ→丁寧

過去形のコアイメージは「遠さ」です。

その「遠さ」のイメージが発展した結果、

現在からの遠さ→過去形
現実からの遠さ→仮定法
相手との遠さ→丁寧

という用法につながっているということなのですね。

さてさてwouldのイメージを掴んだ所で、本日の例文を見ていきましょう。

例文A.The jerred peaches would last all winter.

ここでのwouldは、「1」と「2」の2通りの用法が考えられます。

1.過去の意思→過去の習慣
2.現在の予測→推測

3.相手との遠さ→丁寧

「3」の丁寧だと、

The jerred peaches would last all winter.
(その瓶詰めされた桃は一冬保っていただけます???)

といった具合に、意味が通じなくなりますよね。

なので「3」のセンは早々に消します。

ほいで「1」は、「よくしたものだった」と訳されることで有名な「過去の習慣」です。

1.The jerred peaches would last all winter.
(その瓶詰めされた桃は一冬保ったものだ

そして「2」は、「~だろう」という訳が当てはまる推測です。

2.The jerred peaches would last all winter.
(その瓶詰めされた桃は一冬保つだろう

ただ、この文だけではどちらか絞れないので、後ろの文も見てみましょう。

例文B.They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.

They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.
(それらは恐らく保っただろうそれよりもずっと長く、しかしそれらはいつも冬の終わりまでにはすでに食べられた???)

文が長くて「ぁぁぁ」ってなりそうですが、ヒントがあるので意外とわかりやすいです。

そのヒントとは、

probably

と、

would have lasted

です。

probablyは、「恐らく」や「多分」といった、推測の目印となる副詞です。

さらに注目すべきは「would have lasted」で、これは過去完了形です。

過去完了形とは、過去の過去、いわゆる「大過去」を表現することができます。

表現のためのロイヤル英文法
P65 過去完了の用法 より

(2)過去のある時より前の動作・出来事(大過去)

「過去より前の動作・出来事」とありますが、僕のブログを読んでくださっているダイナマイト・完全・英語エリートのみなさまであれば、

「単に時制の話だけではない」

ということにピンと来ているかと思います。

そうです、ここでも過去形が持つ「遠さ」がポイントになってきます。

過去形が「現在時制における現実との距離」を示すのであれば、

過去の過去である過去完了が、「過去時制における現実との距離を示すのではないか」と読み取ることも可能なわけです。

現在における現実との距離→過去形
過去における現実との距離→過去完了形

過去時制における現実との距離

では、「過去時制における現実との距離」という発想で例文Bを見てみましょう。

B.They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.
(それら=瓶詰めされた桃達は、恐らく保っただろうそれ=冬の期間 よりもずっと長く、しかしそれらはいつも冬の終わりまでにはすでに食べられた???)

桃はひと冬どころか、もっともっと長く保管がきくとprobablyしてます。

しかしながら、冬の終わりには全部食べてなくなっているので、冬を越した桃を実際には見ていないわけです。

つまり、仮定・推測の話です。

もし桃の瓶詰めを全部食べずに残しておけば、

冬が終わってからもずっとずっと長く保存できる桃の瓶詰めがあっただろう。

実現しなかった過去、それをwould have は表現しているのですね。

表現英文法GFE
P306 話し手の態度と法助動詞 より

●would have done 過去志向
実現はしなかったが…

They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.
(それらは恐らく保っただろうそれよりもずっと長く、しかしそれらはいつも冬の終わりまでにはすでに食べられた???)

They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.
(それらは恐らくそれよりもずっと長く保ったのだろうが、それらはいつも冬の終わりまでにはすでに食べられていた)

wouldとwould have done

例文Bが読み解けたので、絞りきれなかった例文Aをもう一度見てみましょう。

A.The jerred peaches would last all winter.

このwouldが、過去の習慣なのか、それとも推測なのか。

そこが絞りきれなかったのでしたね。

過去の習慣パターン
The jerred peaches would last all winter.
(その瓶詰めされた桃は一冬保ったものだ

or

推測
The jerred peaches would last all winter.
(その瓶詰めされた桃は一冬保つだろう

ここで、先程の例文Bを思い出してみましょう。

They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.
(それらは恐らくそれよりもずっと長く保ったのだろうが、それらはいつも冬の終わりまでにはすでに食べられていた)

冬の終わりまでであれば、桃は残っていた。

残った桃は、食べられる状態だった。

つまり、冬の間保存の効く桃があったのは、現実です。

「現実」ということは、仮定や推測ではありません。

上記のことから、例文Aのwouldは、「現実からの距離」ではないと判断できます。

残ったwouldの選択肢は「2.現在からの距離」だけです。

つまり消去法で、「過去の習慣」のwouldであると考えることができるわけですね。

The jerred peaches would last all winter.
(その瓶詰めされた桃は一冬保ったものだ

以上を踏まえまして。

本日の例文を総ざらいです。

The jerred peaches would last all winter. They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.
(瓶詰めされた桃は一冬保ったものだ。それらは恐らく保っただろうそれよりもかなり長く、しかしそれらはいつも冬の終わりまでにはすでに食われた???)

最初のwouldは現実なので、過去の習慣。

2番目のwouldは過去完了を従えているので、過去の推測。

以上を踏まえて日本語訳をつけますと、

The jerred peaches would last all winter. They probably would have lasted a lot longer than that, but they were always eaten by the end of winter.
(瓶詰めされた桃はひと冬保存がきいた。桃は恐らくそれよりもずっと長く保つのだろうが、いつも冬の終わりまでには食べられてしまった)

こんな解釈でいかがでしょうかみなさま!

答え合わせ。

幸田さんの日本語訳を見てみましょう。

幸田敦子さん訳:穴 より

ピーチジャムはひと冬もった。ほんとうはもっと長くもったろうが、冬の終わりには食べきった。

ひと冬保管がきく。

毎年作ってるからそれは確かだよ。

きっとそれ以上も保つだろう。

確かめてはいないけどね。

だって冬の終わりには全部なくなってるから。

そんなところがおさえられていればよいんじゃないでしょうか。

ウェイヨー!!

と、いうわけで。

Yahoo知恵袋などのQ&Aサイトで、

「この英文の訳を教えて下さい」

みたいな質問をよく見かけます。

そしてその質問に対して、

「前後の文脈がわかりませんが、多分こうではないでしょうか」

という解答もたまに見かけます。

今日の記事のように、文法知識だけでは読み解けない部分は多々あります。

なのでやはり、「文脈を読む」という能力も、長文読解には必要なのですねー。

そんなわけで以上、苦手なwouldをそろそろ本気で徹底攻略!でした。

◆本日の参考図書




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