前回に引き続き、句動詞のような群前置詞のようなわけのわからんものがテーマです。
みなさんは「dig up out」っつー句動詞を知ってますでしょうか。
ぼくしらない。
He moved the dirt he’d already dug up out past his mark.
(彼は土を動かして、彼はすでに過去の彼の印を掘って上げて出しました???)
例文は、ルイス・サッカーさん Holesより
基本は一文一動詞
前回に引き続き、「長文読解の基本は一文一動詞」作戦でいきますよ!
一文一動詞の詳細はコチラ
長文読解に悩んだら、一文一動詞ルールに沿ってとりあえず手を動かしてみましょう。
He moved the dirt he‘d already dug up out past his mark.
(彼は土を動かして、彼はすでに過去の彼の印を掘って上げて出しました???)
↓
1.He moved the dirt
2.he‘d already dug up out past his mark.
で、結局、「dug up out」って、なに?
って話になります。
「dug up out」という句動詞なのか、「dug up」と「out」なのか、意表をついて「dug」と「up out」なのか?
upもoutも動詞だったり前置詞だったり副詞だったり、色々姿を変えるので中々絞り難いです。
なんならすぐ後ろにあるpastも何か副詞だったり前置詞だったりしてくるのでもはやわたしの頭はくるくるぱーん。
動詞とは、活用動詞のこと
ここで手がかりをひとつ追加です。
「一文一動詞」の「動詞」とは、「活用動詞」のことです。
活用動詞とは、人称変化や時制変化した動詞のことです。
人称変化とは、「一人称単数形」とか、「三人称単数形」とかのことです。
英語の授業で聞いたことあるでしょう?
時制変化とは、「過去形」「現在形」「未来形」などのことです。
これも聞いたことあるでしょう?
こういった変化を済ませた動詞を、僕は勝手に活用動詞と呼んでいます。
一文一動詞は、この活用動詞を探していきます。
Holesは今のところ、過去の回想
作品を読んでいるとわかりますが、Holesは基本的に回想風に叙述されております。
つまり、動詞は基本、過去時制なのです。
He moved the dirt he‘d already dug up out past his mark.
(彼は土を動かして、彼はすでに過去の彼の印を掘って上げて出しました???)
ということは、何かしら過去時制になってる動詞を探せば良いわけです。
ちなみに、「dug up out」のdugは、digの過去形でもあるのですが、直前に「he’d」があるので、現在完了の過去分詞です。
過去分詞は形容詞的性質を持つので、ここでは活用動詞としては扱いません。
1.He moved the dirt
2.he‘d already dug up out past his mark.
んで結局、「dug up out」って、なに?😂
dig upは句動詞
困ったのでとりあえず辞書を引きます。
ジーニアス英和辞典 より
dig up 他動詞
荒れ地などを掘り起こす
遺跡などを発掘する
金銭を捻出する
ちなみに、dig outもある。
dig out 自動詞
急いで立ち去る
雪に閉ざされた状態から抜け出す
dig out 他動詞
埋まっているものを掘り出す
見つけ出す
じゃあup outは?
ジーニアス英和辞典で「up out」を探しても、up onやup overばかりが出てくるばかり。
となれば。
upとoutはくっつかない。
upとoutは連続しない。
そう判断してよさそうです。
つまり、dig upと、outの間には、本来何かがあると考えるべきではないでしょうか。
He moved the dirt he’d already dug up [???] out past his mark.
(彼は土を動かして、彼はすでに過去の彼の印を掘って上げて出しました???)
前回のおさらい
本来連続しないものがつながっている場合、要素の省略か移動が考えられます。
そして、省略か移動があった場合、先行詞をまず探すのでしたね。
本来連続するはずのないseeとofが連続してるということは。
本来間にあるべき何かが省略されている。
もしくは、
本来あるべき位置から何かが移動されている。
大体このどちらかです。
省略や移動がある時は、だいたい先行詞があります。
なので先行詞を探します。
文の中から先行詞を探せとこのおじさんは言っています。
He moved the dirt he’d already dug up [???] out past his mark.
(彼は土を動かして、彼はすでに過去の彼の印を掘って上げて出しました???)
先行詞とは、名詞です。
dug up outの前にある名詞と言へば。
the dirtです。
the dirtを、本来あったと思われる場所へ移動してみます。
He moved the dirt he’d already dug up [???] out past his mark.
↓
He moved the dirt he’d already dug up the dirt out past his mark.
省略されがちなthatも補っておきます。
He moved the dirt that he’d already dug up the dirt out past his mark.
再び一文一動詞
He moved the dirt that he’d already dug up the dirt out past his mark.
一応、この完全体を一文一動詞で分けてみます。
1.He moved the dirt
2.that he‘d already dug up the dirt out past his mark.
「out past his mark」ってなんや!
って思いましたか?
なんや!って思ったら、消してみるといいです。
that he’d already dug up the dirt out past his mark.
↓
that he’d already dug up the dirt.
(それは何かって言うと、彼がすでに掘り起こした土)
主語もあるし述語もあるし直接目的語もあるし、文が成立しています。
文が成立してるということは、out past his markはあってもなくてもいい要素ということ。
あってもなくてもいい要素ということは、「out past his mark」は修飾語のMということです!
out past his mark
(過去の彼の目印の外へ)
補足:ここまでの内容がそもそも難しいという方へ
ここまでの内容ですでに頭パーんなってついていけてないんですが!
もっとわかりやすく説明しろハゲ!
という方は、長文読解に挑戦するのがちょっとだけ早かったのかもしれません。
この機会に、英文法の基礎に立ち返ってみるのが一見遠回りのようで近道になると思います。
本日の例文や、なんならこの記事をそのまま見せて、
「この英文を理解できるようになりたいんじゃ!」
「活用動詞の見つけ方教えてくれ!」
「関係詞を教えてくれ!」
と英語に詳しい人に聞くのがよいと思います。
知り合いに英語に詳しい人がいないという方は、日本人講師のオンラインレッスンを受けてみるのもありです。
「日本人講師」というところが味噌で、英文法を教わるなら、英語ネイティブよりも、日本語でしっかり意思疎通ができる日本人の方が適しています。
文法上の疑問や質問を日本語で行えますし、もちろん回答も日本語ですから、英文法の理解に集中できるからです。
自習中に出てきた「なんでこうなるんだ…」となった疑問をメモしておいて、レッスン時間中はとにかく先生に質問を浴びせ倒します。
自習
↓
疑問
↓
先生に質問
↓
なるほど!
↓
自習
↓
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繰り返し…
このようなよいサイクルが生まれれば、非常にコスパの高いレッスンにすることができるわけです。
講師が日本人で、レッスン内容も柔軟に対応してくれるオンラインレッスンがお薦めでございますよ。
move?dig?どっちの修飾語?
さてさて「out past his mark」が修飾要素だということはわかりました。
out past his mark
(過去の彼の目印の外へ)
修飾要素ということは、形容詞か副詞です。
He moved the dirt he’d already dug up out past his mark.
(彼は土を動かして、彼はすでに過去の彼の印を掘って上げて出しました???)
形容詞であれば名詞を。
副詞であれば名詞以外を修飾していることになります。
さて一体何も修飾しているのでしょうか。
ここでちょっと文の前後関係を見てみましょう。
文の前後関係
文の前後関係はこんな感じです。
乾いた湖底にひたすら幅5フィートの穴を掘っていくという更生プログラム。
5フィートの円形に目印を付け、穴を掘り始めます。
初めての穴掘りに悪戦苦闘しつつも、徐々にコツを掴み、穴を掘り進めるスタンレイ。
そこでふと気付きます。
せっかく目印までつけたのに、掘り起こした土を、これから掘り拡げるであろう5フィートの範囲内に積み上げてしまった!
掘った土を、これから掘るであろう範囲に積み上げてしまっては、またそれをどかさなかればならず、二度手間です。
それにスタンレイが気付いてギャーッとなっている件りです。
digか、moveか
Mが何を修飾しているのか、一文一動詞+Mに分けて考えます。
1.He moved the dirt
(彼は土を動かした)
2.that he’d already dug up the dirt
(何かって言うと、彼がすでに振り起した土)
M.out past his mark.
(過去の彼の目印の外)
文の前後を含めて読むと、掘り起こした土がいずれ邪魔になるので、その土を目印の外、邪魔にならない場所にどかそうという流れですよね。
そうなると、「M」の修飾語は、「土をどのように動かすか」「土を動かしてどのような結果にするか」を説明していると考えるのが一番自然です。
つまり、out past his markは、動詞moveを修飾する副詞句ということになるわけです。
以上を踏まえまして。
本日の例文を追い詰めてみましょう。
He moved the dirt he’d already dug up out past his mark.
(彼は土を動かして、彼はすでに過去の彼の印を掘って上げて出しました???)
一文一動詞で文を分ける
↓
dug up outって、なに?
↓
そんな句動詞ねぇよ
↓
dug up とoutの間になんか隠れてんじゃねぇかな
↓
先行詞the dirtを発見
↓
thatも省略されてるぞ
↓
文の完全体を再現
↓
He moved the dirt that he’d already dug up the dirt out past his mark.
↓
再び一文一動詞で文をわける
↓
out past his markって、なに?
↓
なくても文が成立するから修飾要素Mだよ
↓
なにを修飾してるの?
↓
動詞moveだよ
つまり、
He moved the dirt that he’d already dug up the dirt out past his mark.
(彼は土を動かした、何の土かって言うと、彼がすでに掘り起こした土、過去の彼の目印の外に)
という文構造。
自然な和訳にしますと、
↓
He moved the dirt he’d already dug up out past his mark.
(彼は掘り起こした土を、さっき付けた目印の外に移動した)
こんな感じでいかがでしょうかみなさま!
答え合わせ
それでは幸田さんの和訳と答え合わせしてみましょう。
幸田敦子さん訳:穴 より
スタンリーは掘り返した土を円周の外に出すと、
よいんじゃないでしょうか!
ウェーイ。
と、いうわけで。
一件落着とさせましたが、実は本題とは違うところで一箇所間違えてるっぽいところがあります。
長くなるので敢えて触れておりませんが、次回そこやっていきます。
とりあえず今日のところは以上、句動詞dig up outなんてものぁ無ぇよ!!でした。
●本日の参考図書
英語学習で一番大切なことって知ってます?ぼくしってる。本出してるし
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