先日、sureを使った形容詞の副詞用法を学びましたが。
本日はreallyを使って副詞の位置についておさらいしてみようと思いますよさてみなさま以下の文。
reallyの位置を踏まえて適切な和訳をつけれれますですかねみなさま。
ぼくできない。
If that was really her lipstick tube he’d found, then she must have lived somewhere around here.
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、それなら彼女はこの辺のどこかに住んでいたのかもしんない???)
例文は、ルイス・サッカーさんのHolesより
文を分けます
ちょっと入り組んだ文でしたら、いつもの必殺「一文一動詞」で分けるのですが、
本日の例文はそこまで複雑でもないので、カンマで分けるくらいにしておきますよ。
1.If that was really her lipstick tube (that) he’d found,
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、)
2.then she must have lived somewhere around here.
(それなら彼女はこの辺のどこかに済んでいたに違いない)
tubeの後ろに関係代名詞のthatを補ってあげるとよりわかりやすいかもしんないです。
それぞれの文の意味も把握できたら、reallyのお話に入っていきたいと思いますよ。
reallyの意味
まずは辞書的な意味を押さえておきましょう。
ジーニアス英和辞典 より
really 副詞
実際は、本当は
本当に
まったく
(間接詞的に)えっ、ほんと?
→ real
「realも見よ」とありますので、形容詞realも押さえときますよ。
real 形容詞
本当の、本物の
まったくのreal 副詞(really)
本当にreal 名詞
現実、実態、実在、実物
sureと同じように、realもパッと見で形容詞なんだけど副詞かもしんないことがあるパターン。
でも今日は「really」なので、副詞です。
形容詞Realが副詞かもしんないパターンはありますが、
逆に副詞Reallyが形容詞かもしんないパターンはないからです。
副詞の位置 おさらい
そして英文法における副詞の位置をおさらいしましょう。
徹底例解ロイヤル英文法
副詞の用法と位置 より
中位:動詞の前、助動詞の後
1.助動詞と本動詞の間
2.動詞の前またはbe動詞の後ろ
副詞は基本的に動詞の前に置かれますが、be動詞の場合は後ろが定位置だそうな。
前回の「文全体を修飾するsure」と違って、今回はbe動詞wasを強調してあげればいいのかな。
be動詞の修飾
be動詞をreallyで修飾するって正直あんまピンときませんが。
1.If that was really her lipstick tube he’d found,
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、)
「もし本当にあったら、」
「もし本当にそんな状態だったら、」
「もし本当にそうであるなら、」
直訳で考えるとこうなりますよね。
でもそれ日本語変じゃん。
しかしながら、今日の例文にそのまま当てはめると、おかしな部分が2つ生じてしまいます。
If that was really her lipstick tube he’d found,
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、)
おかしな2つの点とは、
1.日本語的に変
2.事実関係的に変
です。
1.日本語的に変
1.If that was really her lipstick tube he’d found,
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、)
「本当に彼が見つけた彼女のものだったら」
これ、なんか違和感を感じませんですかねみなさま。
「彼が見つけた彼女のもの」
「彼が見つけた彼女の口紅の筒」
僕的に、この日本語だとなんかすんなり入ってこないといいますか、引っかかる感じがするんですよね。
2.事実関係的に変
第2に、「事実関係に不整合」があります。
1.If that was really her lipstick tube (that) he’d found,
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、)
リップスティックの筒を「彼が見つけた」のは、実際に起きた確定的な事実です。
一方で、「彼女のリップスティックかどうか」は未確定です。
つまり、
「本当に彼が見つけた彼女のリップスティックだったら」
と訳してしまうと、
「彼が見つけたこと」も、「彼女のリップスティックかどうか」も、
どちらも仮定の話になってしまいます。
仮に「1.日本語的に変」を許容したとしても、この「2.事実関係的に変」という問題は無視することができません。
なのでやはり、この日本語訳は少し工夫する必要がありそうです。
1.If that was really her lipstick tube he’d found,
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、)
以上を踏まえまして。
副詞reallyを踏まえ、本日の例文を訳してみましょう。
副詞はbe動詞の後ろが定位置。
wasの後ろの定位置にあるので、reallyはwasを修飾していると考えます。
If that was really her lipstick tube he’d found, then she must have lived somewhere around here.
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、そのとき彼女はこの辺のどこかに住んでいたのかもしんない)
しかしながら、この訳ですと、
「彼が見つけた」
という確定事実と、
「彼女のものだったら」
という不確定事実が、いずれも「仮定・不確定事実」として扱われてしまいます。
なので、和訳に一工夫加えますよ。
具体的には、「彼が見つけた」と「彼女のもの」を分離します。
If that was really her lipstick tube he’d found, then she must have lived somewhere around here.
(もしそれが本当に彼が見つけた彼女のリップスティックの筒だったら、そのとき彼女はこの辺のどこかに住んでいたのかもしんない)
↓
If that was really her lipstick tube he’d found, then she must have lived somewhere around here.
(もし彼が見つけたあれが本当に彼女のリップスティックの筒だったら、そのとき彼女はこの辺のどこかに住んでいたのかもしんない)
英文にも手を加えると、
If that (that he’d found) was really her lipstick tube, then she must have lived somewhere around here.
thatを先行詞にして関係代名詞thatでつなげられるのか?わはは!
そんなことできるんかなあと少し調べてみましたが、見つかりませんでした。
なので、tubeを先行詞にするのが妥当かな、と思います。
If that (tube that he’d found) was really her lipstick tube, then she must have lived somewhere around here.
(彼が見つけたあの筒が本当に彼女のリップスティックだったら、当時彼女はこの辺のどこかに住んでいたに違いない)
↑こんな英文だったら、悩むことはなかったかなあと思いますが、
これは「英語は主語を短くしたい病」の症状の一種なんですかね。
この辺の英語の侘び寂びは、まだ僕の経験値が低いゆえにわからんです。
今日のところは↓こんな解釈で勘弁していかがでしょうかみなさま!
If that was really her lipstick tube he’d found, then she must have lived somewhere around here.
(もし彼が見つけたあれが本当に彼女のリップスティックの筒だったら、そのとき彼女はこの辺のどこかに住んでいたのかもしんない)
ウェイヨー。
答え合わせ。
それでは幸田さんがどう和訳したのか答え合わせをしてみましょう。
幸田敦子さん訳:穴 より
こないだ見つけたあの筒がほんとうにケイト・バーロウの口紅なら、そのむかし<キッスのケイト>は、このあたりに住んでいたのにちがいない。
やっぱり幸田さんも、「筒を見つけた」という確定事実と、「彼女(ケイト・バーロウ)の所有物か」という不確定事実を分離してますね。
方向性は間違ってなかった!さすが俺!わはは!
と、いうわけで。
日本人(というか僕)にとって分かり難いと感じる英文でしたが。
ネイティブにとっては自然な英語なんですかね。
ちゅーかそもそもbe動詞を副詞で修飾するという感覚がいまいち掴めていないのが原因だと思いますが。
精進します―。
それではまた世界の何処かで会いましょうー。
さいなら。
◆本日の参考図書
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