「より上手に」といった意味合いのbetter。
そんなbetterに助動詞的用法があるって知ってますかねみなさま。
ぼくしらない。
Guess we better start building us an ark. Get two of each animal, right?
(私達は私達に方舟を作り始めるのがよいんじゃないでしょうか。それぞれの動物の2つを捕まえて、そうでしょう???)
例文は、ルイス・サッカーさんのHolesより
一般動詞のbetterもあるけれど
他動詞のbetterもあるにはあります。
ジーニアス英和辞典 より
better 他動詞
(状態などを)より良くする
しかしながら、betterの後ろにはstartがあります。
Guess we better start building us an ark. Get two of each animal, right?
(私達は私達に方舟を作り始めるのがよいんじゃないでしょうか。それぞれの動物の2つを捕まえて、そうでしょう???)
startが動詞であれば、betterは助動詞的になりますし、
startが名詞であれば、betterは他動詞となります。
startが名詞の場合
startが名詞の場合、以下のような和訳になります。
Guess we better start building us an ark.
(私達は私達に方舟を作っている開始をよりよくするんじゃないでしょうか。)
なんか変ですよね。
これじゃない気がします。
startが動詞の場合
startが動詞の場合、betterが助動詞、もしくはそれに準ずる役割である必要があります。
しかしながら、better単体で助動詞の働きをするという文法解説は見つけられませんでした。
代わりに見つけたのが、「had better」です。
原形不定詞を用いたhad better構文とは
徹底例解ロイヤル英文法
原形不定詞を用いた慣用構文 より
had better + 原形不定詞:
~したほうがよい
had better は、「~したほうがいいよ」と相手に忠告する慣用構文だそうです。
補足:had betterのニュアンス
表現のためのロイヤル英文法
had better doのニュアンス より
ふつう、便宜上「~したほうがいい」というように紹介されるhad better do~は、この和訳にはない「さもないとマズいことになるぜ」というニュアンスが強い。
「hat better+動詞の原形」構文には、差し迫った脅迫的ニュアンスが込められているそうな。
初対面の相手や、目上の人に対して用いる場合は注意が必要ですね。
でもそれ、had betterじゃん。
と、had betterについて解説してきましたが。
本日の例文はhad betterじゃなくってただのbetterです。
Guess we better start building us an ark.
(私達は私達に方舟を作っている開始をよりよくするんじゃないでしょうか。)
でも大丈夫です。
これにはちゃんとしたわけがあります。
徹底例解ロイヤル英文法
had better+原形不定詞 より
形の上では、たとえばWe had better~が、くだけた言い方ではWe’d better~からさらにWe better~になるような変形が見られる。
betterだけど、後ろに原形不定詞が続いてたら、「had better」に置き換えて考えても良さそうってことですね!
差し迫った状況とは
had better が差し迫ったヤバさを示しているとすれば。
話者はノアの方舟になぞらえて、喫緊の問題が差し迫っていると訴えています。
Guess we better start building us an ark. Get two of each animal, right?
(私達は私達に方舟を作り始めるのがよいんじゃないでしょうか。それぞれの動物の2つを捕まえて、そうでしょう???)
どんな問題が差し迫っているのでしょうか?
文の前後関係から補足しておきましょう。
文の前後関係
めったに雨の降らない乾燥地帯。
そこへ、西の空にいかにも不穏な雨雲が現れました。
あの雨雲がこっちに来たら、前代未聞の大雨になって辺り一帯水没してしまう。
そう考えた少年が、ノアの方舟計画を立案します。
なるほど、大雨で大地が水に沈んでしまうことを心配しているのですね。
以上を踏まえまして。
本日の例文を見てみましょう。
Guess we better start building us an ark. Get two of each animal, right?
(私達は私達に方舟を作り始めるのがよいんじゃないでしょうか。それぞれの動物の2つを捕まえて、そうでしょう???)
betterの後ろに原形不定詞が続いてたら、「had better+原形不定詞」を疑うのでしたね。
betterはhad betterのくだけた言い方。
更生施設に送られてくるようなちょっと素行の悪い男の子ですから、「had better」も「better」で簡略化。
had betterが持つ差し迫ったニュアンスも踏まえて訳してみますれば。
Guess we better start building us an ark. Get two of each animal, right?
(ノアの方舟を作り始めないとヤバいかもな。動物もそれぞれ2匹ずつ捕まえてきてさ。なあ?)
こんな解釈でいかがでしょうかみなさま!
答え合わせ。
それでは幸田さんがどう和訳したのか答え合わせをしてみましょう。
幸田敦子さん訳:穴 より
箱舟作りにかかった方がいいかもな。ありとあらゆる動物を二匹ずつ集めてさ。だろ?)
あんま「ヤバいですよ」って感じはしませんが、better+原形不定詞を見て、「had betterかも」と閃けるようになったのでよしとしますよ!
ウェイヨー!!
と、いうわけで。
以上、better+原形不定詞を見たら、had better+原形不定詞を疑え!でした。
◆本日の参考図書
Guess we better start building us an ark.
(私達は私達に方舟を作っている開始をよりよくするんじゃないでしょうか。)
Guess we better start building us an ark.
(私達は私達に方舟を作っている開始をよりよくするんじゃないでしょうか。)
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