三人称単数なのに動詞が原形なのは何でだか知ってます?僕しらない。

外国語英語
この記事は約6分で読めます。
当記事の内容には、広告を含みますよ

みなさんは買った本の誤植とかって見つけたことありますか?

ぼくない。

(ないんかい)

さてみなさま以下の文。

主語はどうやらX-Rayくんのようですが、動詞がthinkのままなのはなんでだか知ってますですかねみなさま。

僕しらない。

It was far more important that X-Ray think he was a good guy than it was for him to get one day off.
(それは遥かに重要だった、x-rayが、彼が良いヤツだと考える、一日休みを取ることが彼のためになることよりも)

例文は、ルイス・サッカーさん holesより

まずは文構造の把握を。

thinkについて考える前に、いつも通りまずは文構造を把握しときますね。

おなじみ、長文読解基本の一文一動詞です。

It was far more important that X-Ray think he was a good guy than it was for him to get one day off.
(それは遥かに重要だった、x-rayが彼が良いヤツだと考える、一日休みを取ることが彼のためになることよりも)

活用動詞はこんなかんじです。

was
think
was
was

wasばっかり!大丈夫かこれ!わはは!

1.It was far more important

2.that X-Ray think

3.[that] he was a good guy

4.than it was for him to get one day off.

「3」と「4」の間にthatを補ってあげるとより理解しやすいかもしんないです。

それぞれに日本語訳をつけます。

1.It was far more important
(それは遥かに重要だった)

2.that X-Ray think
(X-Rayが考えること)

3.that he was a good guy
(彼がいいヤツだったということ)

4.than it was for him to get one day off.
(彼が1日休みを取るよりも)

(彼が1日休みを取るよりも、彼がいいヤツだとX-Rayが考えるほうがはるかに重要だった)

文の前後関係

ちょっと情報が足りないと思うので、文の前段階を補足しときます。

更生プログラムの一環で、干上がった湖にひたすら穴を掘らされるスタンレイ。

穴掘りの過程で「何か興味深いもの」を見つけたら、1日休みを貰えるらしい。

見つけた化石を持っていき、休みを貰おうと思ったけれど。

古株のX-Rayに、「休みを取るなら俺が先だろ」と横槍を入れられます。

理不尽な要求でしたが、スタンレイはX-Rayの要求を受け入れることにしました。

何でかって言うと、それは何でかって言いますと…

そんな件りでございます。

彼=スタンレイ

彼は休みを取るより、キーマンに譲って気に入られたほうが良いと判断したということですね。

It was far more important that X-Ray think he was a good guy than it was for him to get one day off.
(スタンレイは1日休みを取るよりも、いいヤツだとX-Rayに思われる方ががはるかに重要だった)

なんでthinkは原形なのか

文構造を把握したところで、thinkはなぜ原形なのかを考えていきたいと思います。

最初、誤植だと思ってスルーしようとしてました。

でも、それなりに売れてて、小学生向けの図書にもなってるのに、そんなイージーミスが、作家さん・編集さん・校正さんのチェックをくぐり抜けられますかねぇ。

とちょっとだけひっかかったので、ちょっとだけ調べてみたんですよ。

したら出てきましたよ!

ポイントは、It is + 形容詞that ~構文です。

It was far more important that X-Ray think he was a good guy than it was for him to get one day off.
(スタンレイは1日休みを取るよりも、いいヤツだとX-Rayに思われる方ががはるかに重要だった)

It is+形容詞+that~should構文とは

It is+形容詞+that~構文は、shouldを伴うと話し手の要求・勧告や願望などの意図を間接的に示すことができます。

「間接的に」とは、遠回しにとか、ほのめかしとか、そんなイメージですかね。

直接
暑いなぁ、アイス食べたいなぁ

間接
熱中症が危険です、体温を下げるためにアイスの摂取が必要だよね

直接、「食べたい」と言わないのが「間接的表現」なのですね。

今日の例文で考えますと。

It was far more important that X-Ray think he was a good guy than it was for him to get one day off.
(スタンレイは1日休みを取るよりも、いいヤツだとX-Rayに思われる方ががはるかに重要だった)

X-Rayに気に入られたい(直接)
X-Rayにいいヤツだと思われる必要がある(間接)

shouldがあれば、このように間接的な願望の表現になります。

しかしながら、本日の例文にはshouldがありません。

この、間接的願望構文からshouldがなくなるとどうなるかといいますと。

仮定法現在形になります。

もう英語わけわかんねーな!わはは!

仮定法現在形とは

徹底詳解ロイヤル英文法
形容詞の種類と用法 より

shouldを用いない場合、特にアメリカ英語では仮定法現在(原形)を用いる。

間接的な意図を示すIt is+形容詞+that~should構文で、shouldを使わない場合は仮定法現在となるそうな。

んで、仮定法現在形とはなんぞや?

というと、なんのこたないただの原形だそうな。

なんだこのやる気ない文法項目!わはは!

そして仮定法現在形にすると、こんなニュアンスになる、と解説があります。

引き続き徹底詳解ロイヤル英文法
形容詞の種類と用法 より

イギリス英語でも最近この傾向が見られるが、形式張った表現とされる。
「何かがなされなければならない」とか「重要である」といった意味のものである。

たしかに解説はあります。

解説はありますが、なんともスッキリしない解説ではありませんかね。

少なくとも、僕には「仮定法現在」の使い所が全くわかりません。

「ねばならない」だったらhave to とかshould でいーんじゃねーの?って思っちゃう。

次回に続く

仮定法現在を捉えるには、仮定法過去との違いを考えるのが近道なんじゃね―かと考えました。

そうすっと、また話がややこしくなってしまったので、記事を分けることにしました。

今回は、「仮定法現在」というレアキャラにビックリしとくに留め、

次回、仮定法現在を徹底解剖していこうと思いますよ!

さいなら!

◆本日の参考図書

コメント

タイトルとURLをコピーしました